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スーパー「中食」で巻き返し 1人暮らし・共働き狙う 産経BIZ 12月13日
http://www.sankeibiz.jp/econome/news/131213/ecc1312132151001-n1.htm
・九州のスーパー各社が、総菜や弁当など調理済み食品「中食(なかしょく)」の強化に
乗り出している。共働き世帯や1人暮らしの増加により中食市場は急拡大しており、
ダイエーは福岡市の住宅街に中食売り場を充実したモデル店舗を開業した。西鉄ス
トアも来春、JR博多駅近くに総菜売り場を目立たせた新業態の小型スーパー2店舗
を出す。中食市場で存在感を増すコンビニに対し、スーパーの巻き返しが始まった。
・家庭で作る「内食」とレストランなど「外食」の間を意味する「中食」の市場は、拡大の
一途をたどっている。今月7日、福岡市早良区の市営地下鉄野芥駅前に新装開店し
た「ダイエー野芥店」。ガラス張りのオープンキッチンで、従業員がピザやオムライス、
カツ丼などを調理し、作りたてを次々と売り場に並べていった。空揚げや酢豚、ホル
モン炒め、サラダなど約60種類を100グラム100円で量り売りする「おかずバイキ
ング」コーナーにも買い物客が列をなした。
・ダイエーは野芥店を、九州初の「中食強化モデル店舗」と位置づける。総菜や弁当、
冷凍食品、おでんなど中食の取り扱い点数を、改装前の1・5倍の1100品目に増や
した。中食の売り場面積も改装前の1・7倍の300平方メートルと、店舗全体の1割を
占める。
・ダイエーが野芥店をモデル店舗に選んだのは、中食需要が大きい地域と見込むから
だ。野芥駅から半径1キロ圏内は、2人以下の少人数世帯が6割以上を占める。60
?70代の独居女性や、共働きの若い夫婦も多い。こうした世帯は、自炊をしないケ
ースが多い。
・ダイエーの大住信治・九州事業本部長は「食事の『作らない化』が進んでいる。1、2人
分の食事を買いたいという需要に応え、コンビニなどとの競争に勝ちたい」と語った。
食品売り場は24時間営業にした。ダイエーは来夏までに、長崎市や鹿児島市などで
も、こうした店舗展開を考えている。
・帝国データバンク福岡支店が九州・沖縄の外食・中食産業の上位50社を対象にした
調査によると、中食事業の平成24年度売上高は前年度比10・9%増の2071億円
と大きく伸び、12年の調査開始以来、初めて2千億円を超えた。企業別でみても、ス
ーパーや百貨店で惣菜店を展開している「九州惣菜」(北九州市)は23年度比44・2
%増の49億円と、調査対象50社の中で最大の伸びを示す。
・中食の拡大は、スーパーにとって逆風だった。弁当や総菜は、コンビニエンスストアや
弁当専門店に一日の長がある。さらに中食が広がることで、スーパーの売り上げの柱
である生鮮食品が打撃を受けた。防戦を強いられてきたスーパーは、ここに来て中食
をテコに反転攻勢の機会をうかがう。
・10月3日に開店したイオングループの「マックスバリュ筥崎宮前店」(福岡市東区馬出)
は、総菜約100種を1グラム1円で販売する「おかずバイキング」コーナーを設け、人
気を集めている。独居や2人住まいの高齢者が多い地域とあって「数種類を一口ずつ」
買い求める客も多いという。マックスバリュ九州は筥崎宮前店のほか、鳥栖村田店(佐
賀県鳥栖市)、諫早中央店(長崎県諫早市)、新戸島店(熊本市東区)など昨年以降に
新規出店した大半で、同様の売り場を設けている。
・西鉄ストアも中食に注目する。博多駅近くに来年2月開業する商業施設「TERASO(テ
ラソ)」内と、博多バスターミナル内に、小型スーパー「レガネットキュート」を開店する。
売り場面積は「にしてつストア」や「レガネット」など従来型店舗の7?8割、300平方メ
ートル前後に抑える。生鮮食品などの取り扱い点数を絞り込む一方、調理の様子が見
えるガラス張りのオープンキッチンを設け、できたての弁当や総菜を販売する。広報担
当者は「コンビニのような感覚で、会社帰りなどに気軽に立ち寄ってもらえるスーパーに
したい」としている。
・帝国データバンク福岡支店情報部の三好暁久氏は「共働き世帯や1人暮らしの高齢者
は今後も増え、中食需要は拡大する。スーパーの中食重視の傾向はさらに強まるだろ
う」と指摘する。
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