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華字紙・日本新華僑報(電子版)に20日、蒋豊編集長の署名記事が掲載された。日本企業の海外投資先が中国からASEANに移行し始めており、中国の「世界の工場」の地位が脅かされていると指摘している。以下はその概要。
中国経済の減速、中日関係の悪化、中国人の人件費高騰などのマイナス要因により、日本企業が海外投資先を中国から経済成長著しいASEANに移し始めている。中国の「世界の工場」としての地位がいよいよ危なくなってきた。
だが、客観的にみてみれば、中日両国の政治関係の冷え込みが経済分野にまで及ぶのは当たり前のこと。「政経分離」など現実にそぐわない幻想でしかない日本企業が中国を撤退することは、短期的にみれば「ルーズルーズ(lose?lose)」だといえる。だが、長期的にみればもはや必然の流れというしかない。両国関係の悪化は多くの日本企業に「中国リスク」の恐ろしさを痛感させ、中国撤退の歩みを速めてしまった。
だが、中日関係の悪化は単なるきっかけでしかない。日本企業が中国撤退を決める原因は他にある。
中国が経済発展の質を重視するようになり、ルイスのターニング・ポイントを迎えたことにより、過剰だった農村の労働力が減少。新世代の給与待遇に対する要求はエスカレートし、企業が負担する人件費は増える一方となった。安価な労働力を必要とする日本の製造業が、より安価な労働力を求め、ASEANに投資先を移しても不思議ではない。人件費の安さで中国はASEANにかなわない。日本企業が中国を撤退するのは避けられないことだといえる。
安価な労働力に頼り続けるのは限界がある。中国の安価な労働力が経済発展を支えるモデルは持続不能に追い込まれた。中国が輸出する製品の多くは低付加価値製品で、強い競争力を持っているとはいえない。
もともと、産業構造の実現は不可欠だったのだ。日本企業の撤退ブームが中国にそれが急務であることを教えてくれたのである。
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