「輝く今日を見つめて」2014.5.9

「ジェネリック家電」
MADE IN JAPANと聞いて思い浮かべるのは、高品質や安全面といった部分だと思います。
ところが、逆にガラパゴス化しているという意見があるのも実際のところです。
特に国内家電メーカーにおいては、付加価値の追求によって競合他社との差別化を図って
きたため、海外ではあまり評価されない付加価値が多過ぎるのです。
そこで、注目を集めいているのがジェネリック家電です。一般的にジェネリックと聞けば、
特許切れの薬品(ジェネリック薬品)を思い浮かべますが、ここでのジェネリックは特許切
れの製品ではなく、ブランドに拘らないことを意味します。
つまり、ブランド力のある大手電機メーカーと同等の性能を備えていながら、低価格で手に
入れられる商品を指します。
冒頭でも述べましたが、大手電機メーカー各社は、毎年のように新しい機能(付加価値)を備
えたテレビ、冷蔵庫、エアコンなどを発売しています。
そこで開発された技術や部品は十分に使えても、少し古くなると市場価値が下落します。
そうした技術や部品の特許を侵害しない形で利用しているのが、主なジェネリック家電とい
うわけです。
さて、ジェネリック家電の最も大きな特徴は低価格ですが、物によっては10分の1の価格
を実現しているものもあるほどです。
その低価格の理由は、大きく分けて3つあります。1つ目が、開発に掛かるコストを大幅に
削減できることです。
これは大手のメーカーが、研究・開発をしてくれているため、それを真似ることが出来るた
めです。
2つ目が、実演販売やアンケートによって、徹底的に顧客のニーズを調査し、機能を最小限
にすることでコストを抑えられるためです。
最後に、OME供給によって、部品のコストを安くできるためです。また、こうした「開発
コストの削減」「機能の絞込み」「OME供給」という理由で低価格を実現しているために、
品質について問題がないことは言うまでもありません。
このようにジェネリック家電は、求める機能が明確な人にとっては非常に魅力的です。
しかしながら、付加価値の追求によって日本の家電メーカーの発想力と性能が磨かれてきたこ
とも忘れてはいけません。
それでも、今後ますます国内の市場規模が縮小していく中で、MADE IN JAPANを世界中へ浸透さ
せていくためには、このジェネリック家電という分野の成長も必要だと感じます。
海外では必要の無い機能を徹底的に削ぎ落とし、海外で喜ばれる機能(付加価値)を付けた製品の
開発を行なう。
金融緩和による輸出競争力が期待できる中、MADE IN JAPANが次のステージに向かう準備は十分
に整っているのかもしれません。