「輝く今日を見つめて」2014.6.23

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(基準設け怒りを制御、専門家に聞く3つの極意) 2014/06/18 日経産業新聞
・理不尽なことを言う上司、いつも遅刻する部下、電車内でマナーの悪い乗客。
 人間誰でもイライラする瞬間はあるだろう。ただ気分や感情のままに相手を
 怒鳴ってしまえば、人間関係のトラブルや職場での信頼失墜にもつながりか
 ねない。どうすれば良いのだろうか。怒りのコントロール術「アンガーマネ
 ジメント」の専門家、安藤俊介氏に聞いてみた。
・安藤氏は、発祥地である米国でアンガーマネジメントを学び、2011年に
 一般社団法人日本アンガーマネジメント協会(東京・港)を設立。代表理事
 として、上場企業の管理職や新入社員向け研修などを手掛ける。
・「怒っていいことと怒らなくていいことを分けられる。それがアンガーマネ
 ジメントだ」と話す安藤氏。怒りの仕組みを理解し、トレーニングを積むこ
 とで誰でもある程度までは習得できる。ポイントは「6秒」「3重丸」「分か
 れ道」というキーワードだ。
(1)反射的な対応避ける
・【6秒】怒りが発生するのは心の中のコップがあふれてしまった場合だ。コッ
 プには不安や苦しい、つらいなどのネガティブな感情が水として注がれていく。
 普段は気にならないことでも疲れたり気分が悪かったりする日は、コップの
 水が多いので怒りっぽくなる。
・6秒というのは怒りのピークが持続する時間とされる。この間、反射的に怒
 鳴ったり言い返したりすることは「ろくな事にならず、絶対にやってはいけ
 ない」(安藤氏)。怒りを感じた理由を指で手のひらに書くなどし、6秒間を
 やりすごそう。頭の中だけよりもこらえやすくなるし、体を使って作業して
 いる間は待てるように癖を付けることだ。
(2)許容範囲を明確に
・【3重丸】人間は「?すべき」という自分の願望が裏切られた瞬間に腹が立つ。
 ここで役に立つのが3重丸の考え方だ。内側から「自分の基準」「許容できる
 基準」「許容できない基準」とする。怒るのは許容できない基準の場合だけだ。
 基準を明確にすることで本来は怒らなくていいことを怒らずにすむ。
・例えば、待ち合わせの時間。ある人は「5分前に到着すべきだ」と考え、定
 刻から15分すぎまでは許容できると設定したとする。「この基準を気分や機
 嫌で変えないことだ。怒られた方もなぜ怒られたか分からず、不信感を抱い
 てしまう」(安藤氏)。また3重丸には個人差があるが、会社や家庭などのコ
 ミュニティーとしては統一しなければならない。
(3)「変えられるか」判断
・【分かれ道】6秒待った。3重丸も許容できない基準。最後のポイントは分か
 れ道で行動を決めることだ。そのためには行動によって状況が「変えられる」
 か「変えられない」か。そして自分にとって「重要」か「重要ではない」か
 を検討しよう。すぐに取り組むべきなのは「変えられる」かつ「重要」な場
 合だ。
・車の運転中に渋滞にはまり、いくら「渋滞が解消してほしい」と声に出した
 り祈ったりしても状況に変化はない。重要でもどうしようもないので、パー
 キングで休んだり音楽を聴いたりするなどの現実的な対処策をとるしかない。
・「よし。行動しよう」。3つのキーワードを考慮した後、こうなった場合は最後
 の質問を自分に投げかけよう。「どうすれば自分も周りの人も長期的に健康で
 いられるか」。行動する場合は怒鳴ったりとっくみあいになったりするのを避
 けなければならない。
 
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