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今年の夏も要節電!!
先日、今夏の節電対策が政府より発表されましたが、2年連続で数値目標は明確にされませんでした。数値目標を示すことで、アベノミクスの景気回復に水を差すことを避けたい政府の思惑があります。ただ今年は半世紀ぶりに全原発が停止した状態で夏場を迎える可能性が高く、特に原発依存度の高い関西電力や九州電力で、今夏の電力需給が綱渡りの状態です。
電力会社は通常、いかなる場合でも電力を供給できるように、発電所等の供給設備の不具合や故障といったトラブル、気温上昇等による予想外の電力需要増加に備えて、ある程度の予備の供給力を発電施設に保持しています。最大電力需要に対して供給予備力の比率を示したものを「供給予備率」と呼び、日本においては、通常7-10%の供給予備率を保持することが一般的とされ、供給予備率が3%を下回った場合、停電の可能性が出てきます。経済産業省の今夏の電力供給見通しによれば、電力大手9社での供給予備率は3%を確保できるとのことですが、関電や九電は、電気の周波数が異なる東京電力から電力を融通されることでかろうじて3%に達することができるという現状です。融通がなければ関電で1.8%、九電で1.3まで予備率が下がり、この予備率は1度でも気温が上がった場合に簡単に消費できる電力量なのです。
全原発が停止した状態で、今夏は最大供給電力の8割を火力発電に依存することになりますが、そのうち2割が40年以上も稼動し続けている老朽火力です。現在でも老朽機のフル稼働や定期検査の繰り延べなどが続いており、不測の事故が起きるか懸念が絶えません。安価で安定的な電力供給のためには、やはり原発の再稼動が欠かせないとし、これまでに電力8社が、10原発計17基の安全審査を原子力規制委員会に申請しています。規制委は3月、九電川内原1、2号機(鹿児島県)の審査を優先的に進めることを決め、早ければ6月末にも合格するとみられていますが、地元の同意を得る必要があり、再稼動の見通しは立っていません。
一昨年、昨年もほとんどの原発が停止していましたが、夏を乗り切ることができていますので、西日本の電力会社が予備率を低めに提示することで原発稼動を早める狙いがあるとも言われています。しかし、老朽化した火力発電所のトラブルで大規模停電が発生する可能性が消えたわけではありません。これまで夏を乗り切ることができたのは、企業や家庭が節電に取り組んだ結果です。今夏の電力需要見通しも節電の継続率を加味した内容で算出されております。具体的な数値目標はありませんが、引き続き1人1人が節電に取り組む姿勢が今後の日本の明るい未来のために必要不可欠です。
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