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世界のワインの価格を決める男
ロバート・パーカーは、世界のワインの価格を決める男といっても過言ではない。
彼はワインをパーカーポイント(PP)と呼ばれる100点法で採点したことで知られ、
価格や生産者の評判などで左右されることのない客観的な評価姿勢で支持を集め
ています。
1975年からワインに関する記事を書き始め、1978年にワイン小売業者向けの
ワイン情報誌「ワイン・アドヴォケイト」の発行を開始。発行部数はわずか500部
からのスタートでしたが、その後10年あまりで発行部数3万部となっています。
著書「ワイン・バヤーズ・ガイド」には、8000本を越えるワインを一人で試飲し
100点法評価、価格帯(ドル)評価、飲み頃予想などを記述し、多くのワイン業界人、
ワイン愛好家のバイブル的存在となっています。
ただ、あくまでも個人的評価であるはずのパーカー氏の著書をワイン業界があま
りにも頼りすぎたため、パーカーの一言でワインの売れ行きを左右するほどの絶対
的評価となり、反発も少なくないようです。
そのいい例がボルドーのプリムール(新酒の先物取引)。シャトー・マルゴーや
シャトー・ラトゥールといった1級シャトーまでがパーカーポイントが発表される
のを待って売り出し価格を決めるという異常事態になっているそうです。
ちなみに、本当にいいワインとされるのはこのパーカーポイントが85点以上の
ワインだそうですが、その割合は世界中のワインの0.1%に過ぎず、非常に貴重な
ワインです。
ゆえに、世界中のワイン関連の人々が、このパーカー氏に試飲してもらおうと
行列を作っているという噂もあるほどです。実際、無名で安価だったワインが
パーカー氏から高い評価を受け、一夜にして高価で有名になったワインもあり、
「シンデレラワイン」と呼ばれています。
そんなワイン業界に絶大な影響力を持つパーカー氏が20年間取り組んできた
課題が、「偉大なワインとは何か」です。一般的にワインテイスティングとは
主観的なものであると言われますが、偉大なワインとは「素晴らしい音楽や絵画
と一緒で、その素晴らしさというものは常に一定のものがそこにあり、その味わ
いは常にインターナショナルで、その定義は世界中どこでも同じ」だそうです。
自分の舌に100万ドルもの保険をかけているパーカー氏の舌を信じて、
高いワインを試飲してみましょうか。
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