「輝く今日を見つめて」2015.5.20_1

(救急車のあり方)
今、救急車を利用した軽傷者に対して一部有料化を検討すべきと議論が
なされています。近年の救急車の出動は、5.3秒に1回の割合と言われる程
急増しています。
その背景には、実際に搬送されている人のうち軽傷者が半数近くいることが
問題点として上げられています。
 
実際に海外では救急出動を有料としている国も多くあります。ニューヨーク
では基本料金が約2万5000円で以降1マイルにつき約600円加算、パリでは30分
あたり約2万円となっているようで、高級タクシーのようです。
確かに、交通手段がない場合や、待ち時間なく診療を受けられるためという
安易な出動要請もあるのが現状ですが、救急車の有料化によって、気軽に呼ぶ
ことが出来なくなり、生命の危険はないという自己判断をあおり、重篤な場合で
あっても救急出動をためらい、返って生命が危険にさらされるケースが出て
来ることも考えられます。
今回の救急車の一部有料化はまだ検討段階ですので、実際の決定までは
まだ時間がかかりそうですが、すでにこの事態改善のため民間による新たな
体制が作り出されています。
東京都で平成17年4月から本格的な運用を開始した民間救急車システムが
あります。これは生命の危機に関わらないけれども交通手段がない場合に
利用出来る民間の救急車です。119番で来てくれる救急車とは異なります
ので、緊急走行はできませんが、安全・安心に患者を医療機関へ届けることが
最大の目的とされています。
医師が要請した場合には補助が受けられますが、基本的には有料の
システムです。今現在このサービスを受けられるのは東京都、大阪府、愛知県、
奈良県など一部地域のみで、認知度も低いのが現状ですが利用が増えれば
今後全国展開もされてゆくと思います。
救急車を呼ぶべきかどうか迷った時や、診察可能な病院が分からないなどの
時には、各地の救急相談センター窓口が丁寧に対応してくれます。電話番号や
サポート内容と地域によって異なりますので、緊急時のために調べてみましょう。
小児専用の救急相談電話は全国共通短縮ダイヤル「#8000」で、小児科
医師や看護師から、子供の症状に応じた適切な対処方法や受診する病院の
アドバイスを受けられます。
ただ単に、無駄を省こうとする審議だけでなく、今あるこれらのシステムを
幅広く認知させることから救急車のあり方を見つめなおすのも一つではないで
しょうか。