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家紋の歴史と会社ロゴ
家紋の起源は、平安時代の牛車につけた紋が始まりとされ、平安貴族が
使い始めた家紋は戦国時代に武家社会へ浸透していき、江戸時代に庶民にも
拡大したとされています。ほぼ全国民が所有し、代々受け継がれるという
家紋は世界でも類をみない日本独特の文化です。
平安貴族は厳しい階級社会の中で、名字と共に自他を区別するための道具と
して家紋を生み出しました。当時、内裏に参内する貴族の牛車が大変混雑した
ことから、退出してきた時に自分の牛車を素早く認識するための目印、また
貴族が牛車に乗車中に他の牛車と行き会った際、いち早く相手の地位を見分けて
素早く礼法に沿った対応をするために用いられたと考えられているようです。
日本人の苗字の大多数は源、平、藤原、橘の4つに分類され、これら4つの
姓は「四大姓」、「源平藤橘(げんぺいとうきつ)」と称されています。朝廷に
おいて権勢を誇る四代氏族として定着、武家社会が発生すると、彼らは自分
たちの素性が正統であることを主張するため、源平藤橘のいずれかの系譜に
属していることを明らかにする必要がありました。
その真偽は別にして、血統の証明として使用されたのが系図であり、代々
伝わるとされた家紋でした。こうした流れの中で、源平藤橘を代表する家紋
として考えられているのが、源氏の「笹竜胆」、平氏の「揚羽蝶」、藤原氏の
「下がり藤」、橘氏の「橘」ですが、正確に分類することは難しく、独自に
自然増殖していったのが実態といえます。
戦国時代に使われた代表的な家紋では、織田信長の「織田木瓜」、豊臣秀吉の
「太閤桐」、徳川家康の「三つ葉葵」があります。また、昨今は戦国時代を
あしらったゲームが人気で歴史好きな女子、通称”歴女”が増えたことで、
戦国武将のファンも増えています。
そうした人気武将では、伊達政宗は仙台笹と呼ばれる「竹に雀」、武田信玄の
「武田菱」、真田幸村の「六文銭」、竹中半兵衛の「九枚笹」、山本勘助の
「巴紋」などがあります。
笹は中国では鳳凰の食べ物とされ吉祥の印であり、巴は水の流れを意味し、
自由闊達に軍政を指揮した軍師・勘助を象徴しているともいわれています。
ちなみに、連合艦隊司令長官の山本五十六は、勘助の子孫とされ、「左三つ巴」
を家紋にしています。
現在でも、企業が掲げる会社のロゴには、独自の経営理念が込められて
います。誰もが目にしたことのあるソフトバンクの会社ロゴは、創業者の
孫正義氏が坂本竜馬を尊敬し、彼が作った海援隊という貿易結社の旗印が
モチーフになっていることは有名です。
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