「輝く今日を見つめて」2016.6.11

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「 ボルト選手は若い時障碍者だった!?」
リオデジャネイロオリンピックまでついに2ヵ月を切りました。8月5日の
開会式から21日までの17日間、実に204の国と地域が参加。10,500人もの選手が
28競技306種目に亘って熱い戦い、感動のドラマを演じますが、中でも
オリンピックの花形といえば陸上男子100m走ではないでしょうか。
 
 北京、ロンドンに続き3度目のオリンピックに挑むジャマイカのウサイン・
ボルト選手。短距離走において長身の選手は静止状態からの加速が鈍くなるため
一般に不利とされますが、身長196cm、体重94kgという恵まれた体格から繰り
出される275cmの大きなストライド走法を活かし、中盤から圧倒的なスピードで
加速する様は見るものを惹きつけます。
 
 陸上をやるために生まれてきたようなボルト選手ですが、実はとてつもない
努力の人です。生まれつき背骨が曲がっている脊椎側湾症という障害を持っており、
実際その姿を見ても身体が曲がっているのが分かります。
 
 今でこそ歴史に名を残すスーパースターですが、陸上を始めた当初は曲がった
背中のため重心が安定せずひどいフォームで走っていました。また背中の歪みに
より走った際に骨盤が大きく揺れるせいで、骨盤の下に伸びる太ももの裏側の筋肉
(ハムストリングス)に大きな負荷がかかり肉離れを起こしやすく何度も
悩まされました。
 それを徹底的なウエイトトレーニングを行うことで筋肉を強化しその障害を克服。
その年収は30億円に届こうかとも言われますが、大手企業が高額を支払ってでも
契約を結びたがる背景には、人気は勿論のこと先天的な障害を持ちながら世界大会で
次々に優勝、ハンディをチャンスに変えた不屈の姿がピンチをチャンスに変えたいと
願う多くの企業が求めるイメージと合致しているからのようです。
 
 現在29歳、8月21日に30歳の誕生日を迎えるため、20代でのオリンピック出場は
リオが最後になります。13日の100m予選から姿を現し、14日に100m決勝、18日に
200m決勝、そして19日の4×100mリレー決勝と続きます。
 3大会連続3個の金メダルを勝ち得るのか、それとも誰かが絶対王者を打ち
負かすのか、今大会最大の注目と言っても過言ではないかと思います。
そして、以前からリオ後に引退と明言していますが、できれば4年後の東京
オリンピックまで現役を続行し、日本でもその勇姿を見せてほしいものです。
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