「輝く今日を見つめて」2014.9.2

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「木曽路」会見の憂鬱―食品偽装は宿痾なのか(斜光線)
2014/09/01 日経MJ
・しゃぶしゃぶチェーン店の木曽路による牛肉の産地偽装。昨年秋に相
 次いで発覚したホテルや飲食店での食品偽装問題に懲りずに不正に手
 を染めていたことに「木曽路よ、お前もか」といった暗い気持ちにな
 ってしまう。真相はまだ明らかになっていないが上場企業らしからぬ
 説明、立ち振る舞いが気になる。
・この食肉偽装問題は2012年4月から今年7月までの間に3店舗で7
 171食について銘柄牛でない牛肉を「松阪牛」「佐賀牛」と偽って提
 供していたという内容だ。
・謝罪会見で不正を働いたのは3店の料理長であることを明らかにしたが、
 腑(ふ)に落ちないのはチェーン店である木曽路の本部がこんな長い期
 間に不正を気付かずにいられるのだろうかだ。
・木曽路でメニューを注文する際に店員は携帯POSに入力し、そのデー
 タは本部に伝わる。そこには本来の松阪牛や佐賀牛のデータがあるのに、
 それに見合った仕入れ量がないのはすぐに分かるはずではないだろうか。
 でないとPOSや在庫管理システムの意味はないはずだ。
・昨年秋の食品偽装問題後も不正に手を染めていたことを会見で突かれる
 と、「メニュー表示やトレーサビリティー(生産履歴の追跡)を調べたが
 問題なかった。本来なら販売数量なども調べるべきだったと感じている。
 これはミスだった」と頭を下げた。だが、そもそも客からの注文数量と、
 取引先からの仕入れ量は日々の業務の話だ。説明になっていない気がす
 る。
・特に不正の舞台となった北新地店(大阪市)は6880食も偽って提供
 し続けた。仮に1食150グラムだとすると1トンを超える。料理長が
 2年以上もこれほどの量をごまかせるものだろうか。同社が08年に作
 成した「内部統制システム構築に関する基本方針」にはこうある。「過誤・
 不正等の事故の未然防止、早期発見のために異例異常取引を情報システ
 ムによって即時・重点的に監視する」。まだシステムができないというの
 か。
・顧客への対応も首をかしげたくなった。当初、顧客への補償は食事券と
 していた。裏切られた店に「また来てください」と言っているようなも
 のだ。さすがにこれは現金に変えた。
・偽って提供した牛肉については会見で「世の中で最高グレードと扱われ
 ている。(銘柄牛と)味の面では大きな差はない。『だったらいいだろう』
 ということはない」と取り繕った。どこまで真剣に受け止めているのか。
 消費者だけでなく産地も敵に回した。
・繰り返される食品偽装。もはや宿痾(しゅくあ)としか言いようがない。

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