「輝く今日を見つめて」2014.10.3

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選ぶのは機会か廃棄か
2011年度、コンビニの全店売上合計が9兆円を超えました。その10年前の
2002年に店舗数が4万店を突破した当時、もうコンビニは飽和状態。もはや成長は
見込めないと言われましたが、その後10年間の実績は、店舗数は4万店から
4万8千店へ約2割伸び、売上高が約7.2兆円から9兆円へ2割強も伸びました。
バブル崩壊から連綿と続く日本低成長時代の中、さらにはリーマンショック、
東日本大震災と、決して恵まれた環境とは言えないなかでの右肩上がりの成長を
成し遂げました。
 
そして、その成長には1973年の創業以来、約40年間コンビニ業界の先駆者として
牽引し続けるセブンイレブンの活躍が大きく寄与しています。名実ともにNo.1コンビニ
のセブンイレブンは、昨年度の売上が3.5兆円を突破。全国の加盟店は沖縄県、
鳥取県、青森県を除く全国都道府県で約1.6万店、海外を含めますと5万店を
超えます。
これはローソンの売上1.3兆円、店舗数約8千店。ファミリーマートの売上約1兆円、
店舗数約7千店をはるかに凌ぎます。また、セブンイレブンの日販は約67万円と
他社と10万円以上の開きがあり、年間では一店舗あたり約2.5億円と中小企業並の
売上があります。ここまで売上に差があるのは「世の中、変化するからビジネス
になる」という鈴木俊文会長の考えのもと、常に変化の先を行く戦略が好結果を
もたらしています。
これまでにセブンイレブンが開始した革命的な例を挙げますと、まずはおにぎりの
登場です。1970年代、おにぎりは家庭で作るものであり、外で買って食べる人は
いませんでした。しかし、これからは女性が社会進出する時代がくると先読みし、
販売を開始。今では外でおにぎりを買うことは当たり前になっています。
 その他にもコンビニにATMを置いたことや、マルチコピー機から住民票の写しや
印鑑登録証明書を取得できる(一部の地域だけ)行政サービスなど多岐に渡ります。
 
 そして、本質的に他店と大きく違うのが、「機会損失」と「廃棄損失」の考え方です。
これはどちらの損失を重視しているのかということです。セブンイレブンは品物が
切れているためにお客様がこなくなること(機会を失う)を嫌い、後者は無駄な
廃棄を嫌う考え方です。
 そして、この考え方はどちらが正しいかと言えば、ことコンビニ業界で言いますと
前者の機会損失が正しいと言えます。コンビニで求められるのは「いつ行っても
そこに欲しい商品がある」をおいて他にないからです。商品が切れているのなら
コンビニの価値は半減してしまいます。コンビニ=便利。
 便利とは文字を分解すると「人が更に利を求める」と書きます。コンビニに訪れる
人は今よりも更に付加価値を求め来店します。飽きさせず機会を失わない経営が
愛される秘訣なのかもしれません。この機会損失は全ての職業に当てはまるかは
わかりませんが機会を活かすことはどの職業でも追求する事項と言えそうです。
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