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(甲子園の守り人)
いよいよ全国高校野球甲子園大会が始まりました。。今年も多くの
物語が紡がれることでしょうが、高校球児の大舞台を陰ながら支えているのは
グラウンドキーパーの阪神園芸です。
阪神園芸株式会社は1968年に設立された造園会社で1979年より甲子園の
グラウンド整備に携わり、以来球場の守り人としての役目を果たしてきました。
その仕事ぶりはプロの選手たちからの信頼も厚く、現役時代はセカンドの
名手として名を馳せた阪神タイガースの和田豊監督は引退の際、「常にいい
コンディションでプレーさせていただいた阪神園芸のみなさんありがとう」と
述べ、その仕事ぶりを称えています。
そのこだわりは強く、土を均すトンボがけを任させるまで2?3年の訓練を
要します。また、天候や気温、湿度、季節、そして試合がデイゲームか
ナイターであるか、それぞれの状況に合わせて土の調合と固さを調整する
徹底ぶり。投球マウンドもホームチームであるタイガースの先発投手の要望や
特徴を踏まえて一日一日造り替え、選手の力がより引き出される環境を日々
提供しています。
土のグラウンドにとって一番の大敵はやはり雨。高校野球のルールでは
雨のため試合続行不可能と判断された際、7回まで試合が終了していた場合は
その時点でのスコアで試合が決着し、9回まで試合を行うことができません。
もし7回まで試合が進んでいなかった場合は試合が成立せず、翌日また1回から
試合が始められます。
つまり、どれだけ点差をつけ有利に試合を運んでいても、全てがリセット
されまた一から試合を始めなければならないのです。また、試合を再開する
ことができたとしても、再開までの間が長ければ長いほど選手たちの
コンディション調整は難しくなり、試合の流れが一変してしまうことも
少なくありません。負ければ終わりの高校野球にとって、雨は高校球児たちの
運命を左右するほど大きな影響力を持っているのです。
しかし、どんなに大雨がグラウンドに降り注いでも、雨さえ止んでしまえば
阪神園芸の出番。グラウンドの所々に水溜りができ、誰もが試合続行不可能と
思う中でも彼らの手にかかればすぐさまグラウンドは元のコンディションを
取り戻します。
グラウンド整備が始まれば阪神園芸がツイッター検索ワードのトレンド
入りし、整備の様子を収めた動画がユーチューブにあげられるほどの大人気。
これほど愛されているグラウンドキーパーも他にはあまりいないでしょう。
降雨も打球のイレギュラーも、ドラマを創る一つの要素ではありますが、
アクシデントではなく球児たち自身の手で幕が引かれるよう、阪神園芸は
今日も甲子園の守り人としての役割を果たしています。
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