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高品質の大吟醸として国内外で人気が高まっている旭酒造(山口県岩国市)の瀬祭(だっさい)。
匠の技の極致といえるが、その酒造には杜氏史(とうじ)はいない。
ITを活用、全行程で詳細なデーターを取って分析し、最適な酒造りを実現している。
製造現場も従来の酒蔵のイメージと違い、近代的な工場そのものだ。
昔ながらの酒蔵は冬場しか仕込みができなかったが、室温を一定に保ち、
瀬祭を1・8リットルの一升瓶換算で年間150万本も量産する。
人の感に頼る酒造りと比べて、品質にばらつきがないのも特徴だ。
現在、地上12階・地下1階の酒蔵を建設中で、生産能力を3倍に高める。
こうした取り組みのきっかけになったのが、1999年に新規事業に失敗し、杜氏に去られたこと。
その前から、酒造りのノウハウが杜氏の頭の中にブラックボックス化されていることに、
疑問を抱いていて大胆な改革に踏み切った。
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