「輝く今日を見つめて」2016.5.24

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「ベイルイン」
今年に入って「ベイルイン」制度が欧州の全ての銀行で適用されること
になり、今まで以上に預金者のリスクが高まりました。「ベイルイン」とは、
金融機関を内部から救済する方法です。つまり、預金者の預金を使って、
その銀行を救済する制度です。
 その反対が「ベイルアウト」。政府が公的資金(国民の税金)を使って、
金融機関を救済する方法で、日本では山一證券や日本長期信用銀行、りそな
銀行がその具体的な例として挙げられます。
 
 要するに、今までは「ベイルアウト」でした。しかし、政府が「ベイル
アウト」を行なう度に多くの国民から反感を買ったため、「ベイルイン」と
いう救済方法へと変遷していったのです。
 このきっかけとなったのが、2013年のキプロスでの金融危機時に、10万
ユーロ(当時の日本円で約1300万円)を超える大口預金者に、破綻処理費用の
負担を強いるという実質的な「ベイルイン」が適用されてからです。また、
キプロスと言えば、当時低い税率と高金利によって、租税回避地として各国から
資金が流入していた経緯があり、そうして集まっていた資金を破綻処理に使うと
いう目的もあったようです。
 
 すでに、今年の4月にはオーストリア銀行で「ベイルイン」が実施されて
います。もちろん、それまでに全額引き出せば良いわけですが、過去の例を
見ても、金融機関はある日突然、休業日に預金封鎖を行なうことが多いようです。
つまり、「ベイルイン」対策は、あらかじめ行なっておく必要がありそうです。
ちなみに、オーストリア銀行で「ベイルイン」が実施された4月には、バンク・
オブ・アメリカで預金が引き出せなくなっているという情報が流れていました。
 
 著名な投資家ジョージ・ソロス氏は、2014年の時点で、大き過ぎて潰せない
銀行と言われる、米シティーグループやJPモルガン、バンク・オブ・アメリカ
の株式を全て売却しています。さらに、今年に入ってからのソロス氏は、
株式投資額を37%減らす一方で、産金会社の株式や金ETFの受益証券の保有を
増加させています。
 また、IT関連株に投資することのなかった著名投資家のウォーレン・
バフェット氏が、ヤフー買収やアップル株への投資に意欲を見せています。
「ベイルイン」から資産を守るには、ゴールドか仮想通貨しかないと言われて
います。
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